【腸活×ダイエット】管理栄養士が解説する腸内環境を整える食事のポイント(前編)
理想のカラダになるために食事を整えることは欠かせません。今回は、「腸内DNA検査×食事指導」を実践している管理栄養士が腸内環境を整えるために日々の食事の中でできる簡単なコツを前編と後編にわけてお伝えします。
腸内環境が悪い人ほど太りやすい
デブ菌、ヤセ菌という言葉を聞いたことがありますか?
腸内細菌は、善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3種類に分けられ、「善玉菌:悪玉菌:日和見菌=2:1:7」が理想的だと言われています。(※最近では「悪玉菌:長寿菌:その他の菌=1:6:3」とも言われています)
善玉菌と呼ばれる代表的な菌は、ビフィズス菌、乳酸菌、酪酸菌などです。これらの菌は、野菜や果物などに含まれる食物繊維などをエサにして、短鎖脂肪酸を作り出しています。この短鎖脂肪酸は、脂肪細胞が栄養分を取り込むのを抑えたり、エネルギーの消費をしやすくする働きがあり、体に脂肪がたまりにくくしてくれます。また、悪玉菌の増殖を抑えてくれる働きもあります。
日和見菌は善玉菌や悪玉菌に属さず、どちらかが優勢になると味方になり働きます。その中でも、独自の特徴があることがわかってきており、それが「デブ菌」と「ヤセ菌」です。
「デブ菌」は、フィルミクティス門というグループで、脂肪や糖分を溜め込みやすい性質を持っていたり、消化しづらい食物繊維までエネルギーにしやすいという特徴があります。「ヤセ菌」は、バクテロイデス門というグループで脂肪の吸収を抑え燃焼させる働きがあります。
デブ菌は悪玉菌に、ヤセ菌は善玉菌に味方しやすいという性質もわかっています。善玉菌を増やすとヤセ菌の勢力が増強され、痩せやすい体質になれるということです。
善玉菌を増やすための食事「シンバイオティクス」とは?
善玉菌の味方であるヤセ菌を増やすには、ヤセ菌のエサとなるものを毎日食べることです。プロバイオティクスと呼ばれるビフィズス菌や乳酸菌などを含む食べ物と、プレバイオティクスというこれらの菌のエサとなるオリゴ糖や食物繊維が多い食べ物を一緒に食べることで腸内環境は改善されると言われています。このような、プロバイオティクスとプレバイオティクスを組み合わせて摂ることをシンバイオティクスを言います。
具体的には、発酵食品とオリゴ糖や食物繊維を一緒に摂ることです。例えば、ヨーグルトにアーモンドやはちみつ、バナナなどを組み合わせたり、納豆とキムチと豆腐を組み合わせたりなど、好きな組み合わせを選ぶと良いでしょう。
オリゴ糖を多く含む食品としては、大豆などの豆類、きなこ、はちみつ、たまねぎ、ごぼう、にんにく、ブロッコリー、バナナなどです。
具体的な食品や摂り方については、後編でさらに詳しく解説します。
腸内フローラは毎日少しずつ入れ替わっている
日本人の腸内最近の数は200種類、100兆個、重さにすると約1〜2kgと言われています。腸内細菌は菌種ごとに腸内細菌叢という集落をつくり、びっしりと腸壁にはりついており、その様子がお花畑のように見えるので腸内フローラと呼ばれています。
腸内フローラは短期間で入れ替えることは難しいですが、毎日少しずつ入れ替わっており、毎日のお食事を腸内環境に意識した内容にすることで善玉菌を優位にしていくことができます。1〜2ヶ月で良い状態になってくることが期待できますので、シンバイオティクスを意識した食事の内容にしていきましょう。
腸内環境は、老化や食事の乱れ、ストレスの多い生活により、悪玉菌が増える傾向にあります。気になる方は腸の状態を客観的に評価するために、腸内DNA検査を受けてみることもおすすめです。
後編では、腸内環境を良くして痩せやすいカラダを作るためのお食事のポイントについて詳しく解説していきます。
参考文献
1)川本徹著(2022年),『結局、腸が9割』, 株式会社アスコム
2)辨野義己著(2022年), 『最高の睡眠は腸活で手に入る』, 扶桑社
3)藤田紘一郎(2020年), 『自力で免疫力を上げる腸の強化書』, 宝島社
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